航空業界で使われる単位について    レポート002 哨戒機機長

 

日本で使われる単位系は、「メートル法」と決められています。

したがって、太古の昔から使われていた尺貫法は、現在は公式には使用することが出来ず、宅地や建物の広さも坪数に3.3を掛けて端数を出して表現します。

ところが、航空業界では、国際慣習として独特の単位系を使うことが認められています。
例えば、高度は全てフィートで表わされます。フィート系の基本単位はインチで、1インチは 2.54cm12インチが1フィートで3フィートが1ヤードとされています。

旅客機で、「ただ今35,000フィートで飛行中です。」とアナウンスされたならば、11,483mの高さとなります。ちなみに、富士山は3,776mですが、フィートだと12,388Ftとなります。駆け出しのころは「イチ、ニ、サン、パッパ!!」と覚えさせられました。日本では「イチ、ニ、サン、パッパ」以上の高度で飛んでいれば、ぶつかる山は無いので、大切な数字なのです。

以前は、共産圏諸国では高度の単位にメートルを使っていました。ソ連崩壊後、西側の航空機を使う機会が増えて現在ではフィート系に統一されつつあるようですが、新潟に着陸するアエロフロート機の一部では、今でも「メインテン8,500ミーター」(25,000Ft)などと交信しています。

フィートをメーターに直すには、「3倍して10で割って1%を加える。」メーターからフィートへは、「3倍して10%を加える。」とされてはおりますが、フィートに慣れてしまえば、それが体の一部となりますので別に頭の中で換算する必要はありません。

 次に重さの単位はポンドが一般的です。1ポンドは 454グラムと覚えてください。1時間に5000ポンドの燃料を消費するとすれば、1時間飛べば、飛行機の体重が2.27トン減量することになります。

容積はUSガロンです。燃料や潤滑油の容積は USガロンで表わします。1ガロン(通常USは省略される。)は、3.785リットルですから、T-5型練習機を満タンにすれば375リットル(99ガロン)の燃料がはいることになります。最近の飛行機では、燃料の管制は重量で計算します。容積で管制するよりも初めから重量で計算しておけば、グロス・ウェイト(全備重量)の算出が容易だからです。また、国や飛行場によって搭載できる燃料の種類が違うことがあります。車であれば、ガソリン車に軽油を入れることは出来ませんが、タービン・エンジンの場合には、多少の燃料の質の違いはエンジン側で自動的に補正してうまく回ってくれます。

この場合でも、燃料の種類が違えば1ガロン当たりの重さは当然違ってきますが、燃料1ポンドが発生する熱量(エネルギー)は同じですから、重量で管制した方が計算しやすいのです。タンクの大きさは一定ですから、満タンで積み込める容積が違うだけです。残燃料を検知する燃料計のセンサーは静電容量型といって密度を検出しますから、違う燃料を混ぜて積み込んだ場合でも重さを正確に表示してくれます。

                               今回は、ややこしい単位の話でした。